※2005年のモンゴルの旧暦で祝うお正月(ツァガーンサル)は、2月9日、10日でした。
今年の日の出は、朝の7時〜7時半。この時間になると、アパートから大勢の人がゾロゾロと出てきたり、窓から外を眺めたりしているのです。これは、元日の儀式でして、自分にとって、その年の一番良い方角を窓から眺めたり、外に出て良い方角に向かって歩いたり、お経を唱えたりするのです。方角の儀式の間は、家族と言えどもおしゃべりは厳禁。各自、静かに儀式を行います。縁起の良い方角は、あらかじめ新聞や雑誌等で、自分の生年月日や性別から割り出してあるのですよ。
方角の儀式が終ったら、次に自宅の窓から「スーテー茶(ミルク茶)」を大地に撒きます。基本は、東西南北に8回ですが、3回の人もいれば、沢山やる人もいて各家庭それぞれのようです。(方角の儀式とスーテー茶の儀式の順番は逆になることもあります)
これらの儀式が一通り終ると、晴れ着や民族衣装のデールを身に付けて、お年始周りが始まります。家長を上座にして、新年の挨拶と仏壇へのお供えをするのです。
挨拶の仕方は、家長が両腕をささげ持つように上げたところへ、年下の者は、その両腕を下からそっと支えるように添え、頬を近づけて匂いを嗅ぐような行為、または軽いキスを交わします。嗅ぎタバコ(ホーログ)を客人に嗅がせたり、お互いに交換して嗅ぐ場合もありますね。
お料理は、どこの家庭もほぼ同じでした。オーツという、まるごと羊の骨付き肉の塩ゆで、バターやキャンディー、アールツ(甘い乳製品)、角砂糖等が飾ってあるヘヴィンボーブと呼ばれるお正月のお菓子、レーズン入りの甘いご飯(これはお葬式の時にも食べるそうです)、そしてボーズ(羊肉の蒸餃子)やサラダ等です。飲み物は、アイラグ(馬乳酒)、アルヒ、お洒落なところでは、サングリアなんかも出されました。
ボーズは、お客が来る度に毎回新たに蒸して、アツアツの出来立てをお客に勧めるのが決まりです。一回に大量に蒸したものをレンジでチンして出すなんてことは絶対にしないのです。女性達は、台所でひたすらお料理を作ったり、年中ボーズを蒸していて、とっても大変そうでした・・。
また、ツァガーンサル中、外では、ゲーゲーと吐いている人や酔っ払って千鳥足の人、道路に寝てしまっている人が目に付きました。そこまで、飲んで食べるなんてすごいですねえ・・。親戚、友人宅を何軒も周り、大量のボーズやお料理を食べ、アルヒを飲んでいるわけですから、いくら慣れているモンゴル人とはいえ、胃腸を痛めてしまうんだろうなあ・・。
ちょっと心配に思ったのが、上の写真にもある「脂肪の塊、羊の尻尾」をお年寄りから食べても貰うんだそうです。80才以上のお年寄りに、こんなコッテリしたものはキツイのではないかな、、と。儀式の為に無理して食べているのではないかと、、。そんなことはないのでしょうか?いや、美味しく食べているのなら全然構わないのですけどね。
お客さんが来ると、話題は年長者の自慢話や世間話が多いようですね。正直そんな楽しいものでもないようです。楽しいのは年長者と子供みたい。正月前に若い人達が、「ツァガーンサルなんて大嫌い!お金はかかるし、ホント疲れる!」と言っているのを良く聞きました。
とはいえ、ツァガーンサルでは、80過ぎたおじいさん、おばあさんもデールを着てお洒落をし、誇らしげでニコニコしている様子を見ていたら、こういった伝統行事は、大切に伝えていってほしいものだなあ・・と思いましたよ。 |