※晩秋の爽やかな晴天の日、サーカス団メンバーと日本人メンバーで『山羊のホルホグ(蒸し焼き料理)を堪能しよう!』と銘うった宴会が、ウランバートルから西へ70kmほど行った大草原で開かれました。
モンゴルに来た日本人が、必ず絶賛するモンゴル料理「ホルホグ(羊の蒸し焼き料理)」を私は未だかつて食べたことがなかったんですよ。
羊が苦手なので、モンゴルにいる間に「ホルホグ(羊の蒸し焼き料理)」体験するのは、無理だろうと諦めかけていたところ、「じゃあ、山羊のホルホグにしたら?羊よりずっと美味しいよ!」というサーカス団員の提案で「よし!それでいきましょう!」と今回の宴会が決定したのです。
さて、当日。現地の草原に到着したのですが、全く何にも準備されていません。こんな状態で大丈夫かしら・・と不安に思っていると「これから、山羊を追ってきますから、そこからお好きな山羊を選んでください」とのこと。まずは、山羊を選ぶところから始めるのですね。。
サーカスのメンバーが、まるまると肥えた山羊を選んで連れてくると、ゲルの隣にシートを敷き、山羊を仰向けに倒しました。遊牧民のおじさんは、慣れている手つきで心臓付近を5センチほどナイフで切り、そこに拳を入れて心臓の血管を指でちぎります。
モンゴルでは、家畜の血は、大地には一滴もこぼしていはいけない決まりですから、血は、腹腔に溜めるんですよ。山羊が完全に絶命してから、お腹にナイフを入れて、皮を丁寧に剥いでいくのです。
山羊の解体が、順調に進んでいる間に、サーカス団員達もホルホグの準備をしなければなりません。ホルホグに最適な石と、火を起こすための燃料の牛糞と薪を集めに、広い草原に探しに行きました。牛糞などは、あちこちに落ちているのですが、薪拾いと石探しは、結構、探すのに苦労したようです。そして、薪割り担当、火をつける担当と決まり、各自手際良く仕事をこなしていました。
さて、山羊の皮を剥いだ後は、今度は女性達の仕事。内臓を取り出し、腹腔に溜まった血をお椀で丁寧にすくい出します。その後、腸や胃は綺麗に洗って下ごしらえをします。内蔵や血は、ビタミン、ミネラルが豊富ですから、新鮮なうちにスープにするのです。血を腸につめて、ソーセージとして食べることもあります。
女性達が、内臓処理をしている間に、男性は肉を切り出します。ナイフ一本で素早く鮮やかに肉を切る姿は、さすが遊牧民だわ〜と感心。そして肉がたらいに一杯溜まると、ジャガイモ、ニンジン、玉ねぎと一緒に鍋にほうり込みます。
鍋が煮立ってきたところで、一度、蓋を取り、アルヒ(モンゴルウォッカ)をたっぷりと振りかけるのが、肉を柔らかくするポイント!ホルホグをする時には、アルヒを忘れず持参してくださいね。
圧力鍋スタイルで料理するので、蓋の上から更に重しとして太い薪を数本載せます。その後、30分から40分ぐらいで、蒸気がモクモクと吹き上がり美味しそうなホルホグの出来上がりです!
臭みの全く無いジューシーな山羊のお肉と、肉の旨みと油が程よくしみ込んだホクホクのジャガイモとニンジンが最高でしたね。ゲル内で大人数で食べると一層美味しく感じるものです。余った肉、内臓や血で作ったスープは、意外にもフランス料理の魚介スープのような繊細な味で美味しかったんですよ。
晩秋の晴れ渡った空、草原、ゲル。そして念願が叶い、やっと食べることが出来た野趣溢れる「ホルホグ」に大満足の一日でした。 |